
◎出演のきっかけについて教えて下さい
池袋演芸場の楽屋で、しん平師匠からいきなり「柳田格之進、やったことある?」って言われたんです。
柳田といえば大ネタで、やったことがないので無理と言いました。
そしたら真顔で「こんなチャンスを逃す奴はいないぞ」って「全部覚えなくていい。やる部分だけ覚えてくれればいい。演技は俺が教えるから、やるね?」「……はい!」それが出演依頼とは思いませんでした。几帳面で古典に厳しい心酒の性格を、私の中に見ていたんでしょう。いや私に合ってると思いましたね。
◎映画出演の感想
映画は初めてでしたが、最初のシーンが末廣亭の楽屋で、まわりも落語家仲間ばかりでしたので、こんな師匠もいるなって感じがして、何の緊張もなく普通に入れました。
監督は、先ず台本のまま通して、カット毎にやり直していくんです。繰り返すうちに台詞も間も入ってくるし、「それいいね!」って、現場で決まる台詞もあって、楽しかったですね。テンション上がりました。
奥の方から大きな声で「オッケー!」って言われると嬉しかったなぁ。
◎林家しん平監督について
その場で出た感情は無駄にしないんです。その場面の空気感が出ていることが大切。台詞が前後しても構わない。大事なことを押さえてればいいと言われました。