| 柳家小三治 【落語協会会長】 | 海老名香葉子 【エッセイスト】 | 髙平哲郎 【編集者・演出家】 | 鈴木 寧 【鈴本演芸場 席亭】 | 高田文夫 |
| 湯山邦彦 【アニメーション監督】 | CHIZURU 【和菓子舗 吉祥寺あまの プロダクトマネージャー】 | 柳家小さん 【落語協会監事/新宿末廣亭 席亭役】 | | 林家時蔵 【落語噺家協会理事 海老家賀楽役】 | 三遊亭時松 【遊々亭吉八役】 | 桂 扇生 【ディレクター役】 | 古今亭志ん馬 【鞍馬家天馬役】 | | 柳家三之助 【招喜家猫助役】 | 柳家小三治 【落語協会会長】
これまで落語界には明治の三遊亭圓朝のように、ずばり「大師匠」と呼ばれたひとはいた。
大正の名人とか、昭和の名人とか、平成の名人、はたまた幻の名人とか、噂によるとなんてぇ名人もいた。 しかし「巨匠」と呼ばれた噺家はいない。ひとりもいない。だが気になる男が出てきた。 『落語物語』監督林家しん平。脚本もだ。 何なんだ、この映画は! 何なんだ、この感動は! 二日経った今でも何だかわからないふわふわした感動が胸の中に広がり続けている。 こんな映画今迄見た事ない初めて。 おいおい、しん平はひょっとして巨匠じゃねぇのか?今までの全部の作品を見てみたい。 いや、今のしん平の高座を見てみたい。今のしん平の高座のはなしを聞いてみたい。 海老名香葉子 【エッセイスト】
師匠(初代・林家三平師匠)が亡くなった時、私も沢山の弟子がいたから、やってこられました。
この映画は深い話です。師弟愛、夫婦愛、兄弟愛、全ての“情”が入っています。 心がホッとする温かい映画です。とても良かった。 髙平哲郎 【編集者・演出家】
『落語物語』はいい映画だと断言する
落語家を題材にした映画は、フランキー堺主演『羽織の大将』(60年千葉泰樹監督)はともかく、『の・ようなもの』(81年森田芳光監督)、『しゃべれどもしゃべれども』(07年平山秀幸監督)、『落語娘』(08年中原俊監督)など、どこか信憑性に欠ける。 で、しん平という本物の噺家が原作・脚本・監督をした『落語物語』に描かれる落語の世界は、どこにも嘘がないと思わされた。 しん平監督の映画を観るのは今度が初めてだが、まるで期待せずに観初めて五分で完全に映画の世界に引きづり込まれている自分に気付いた。 立派に映画になっている。映画を愛する気持ちにあふれている。出演者一人一人が生きている。 ピエール瀧、嶋田久作という役者が噺家以上に噺家に見える。寄席の楽屋、噺家の家、床屋、路地……どの映像も新鮮で胸が躍る。 シーン替りに随所に出る句やフレーズも嫌味がなく効果的だ。ぼくはいい映画だと断言する。 早速、監督の怪獣映画も借りて観てみよう。 鈴木 寧 【鈴本演芸場 席亭】
席亭というのは高座での噺家さんは毎日見聴きしておりますが、いざプライベートな部分となると立ち入ることはございません。
この映画『落語物語』では厳しさあり、やさしさあり、笑いあり、涙ありと弟子を受け入れた師匠とおかみさん、噺家を志した青年との絆、落語界の華やかな部分に隠れた地道な部分を私も知ることが出来ました。 皆さんもこの映画をご覧になると、また新たな心持で落語を楽しめるかと思います。 たかが噺家、されど噺家。 ただこの映画で唯一のミスキャストがありました。本物の鈴本演芸場の席亭はもっと格好よくていい男なのであります。 高田文夫
あれだけ話題となって“落語ブーム”の火付け役となった「タイガー&ドラゴン」も「ちりとてちん」も、実はこの作品の大予告篇に過ぎなかったのかもしれない。
怪獣映画など作ってきたしん平監督、いよいよこの「落語物語」で監督としても真打の称号を得たと確信する。 “もちはもち屋”で、やっぱり落語家は、落語家が撮るとウソがない。 シャレにもリアリティがある。 <追伸>楽屋で柳家わさびをみつけただけで、この作品の成功は約束されたと言えよう。おみごと也 林家しん平! 監督!次回作には是非、私も出して下さい。 湯山邦彦 【アニメーション監督】
高座の座布団のごとく、カメラはその切りとられたフレームを凝視したままほとんど動かない。にもかかわらず、観客はそのむこうに広がる生活空間と、その中で繰り広げられる人々の喜怒哀楽をまざまざと見ることになる。
まさに映画による落語だ。 落語を題材にした映画は数々あれど、その手法までが落語の語り口を踏襲した映画は見たことがない。 そして、あんなに大勢の笑いながら泣いている観客を見たことはないし、見終わった後にあんなに“すき焼き”を食べたくなった映画もまたはじめてである。 CHIZURU 【和菓子舗 吉祥寺あまの プロダクトマネージャー】
粋な言葉づかい、美しい所作、噺家さんの意外と素朴な日常、師弟の絆など、タイトルの通り本当に本当の「落語物語」でした。
有り余るほどの娯楽があるこの時代に言葉、表情、身振り手振りだけで人を楽しませてくれる落語の世界、この映画を観終わって、落語に興味が沸かない人なんていないと思います。 そして恐らく多くの人が忘れがちな「人情」というものがこの映画の中にはあふれていました。 3D映画やアクション映画でドキドキするのは束の間ですが、人情映画ってずっと心に残るのだな〜、と初めて知ることができました。 落語好きな方はもちろん、落語の世界をまだ知らないという方にも楽しめる映画だと思います。 ただ、観終わった後、なぜだか甘いものが食べたくなるのは気のせいでしょうか?(笑) 林家時蔵 【落語噺家協会理事 海老家賀楽役】
われわれ噺家がこんなに真剣に気持ちを一つにして取り組んだ作品がかつてあったでしょうか。
涙、笑い、こんなにもりだくさんの映画は今後も生まれることはないでしょう。 とにかくお楽しみ頂ける作品です。ぜひご覧ください。 三遊亭時松 【遊々亭吉八役】
今までありそうでなかった、落語家が描いた落語の世界、デジタルな時代だからこそこのアナログな世界が心を癒します。
「落語物語」何度も逢いに行きたくなる様な作品です。是非! 桂 扇生 【ディレクター役】
この映画に出た事は私の自慢である。誰にでも自慢出来る。家族にだって自慢出来る。
それは私の役がいいからではない。映画がいいからである。 因みに私の役はそんなに自慢の出来る役柄ではない。ちょっといやらしいテレビ局のディレクター。 監督が噺家。出演者の大半が噺家。つまり、この映画は噺家の噺家によるお客様の為の映画なのである。 古今亭志ん馬 【鞍馬家天馬役】
この映画はスバラシイ!
何故かというと、私も、出演しているからです。 ひと月かけて役作りした珠玉の演技を是非見ていただきたい! これで私もムービースター! ただ、気を確かにもって、注意深く見ていただかないと何処に出ているかわかりません。 だから何度も観て下さい。 P.S.映画関係各位の皆様、「落語物語」に何でもいいから何か賞をください。 柳家三之助 【招喜家猫助役】
「噺家が撮った噺家の映画」だけあって、私たちの修業時代がよく描かれています。
設定だけじゃなくて、その心のなかにある風景も見えてきて、前座修業を経験したものにとっては心を動かされるものばかりです。 また噺家が噺家であることの楽しさや悲しさも決して大げさではない形で表現されています。 映画を見たからこそ、監督が噺家であることがわかる映画です。 |