◎落語家という役どころについてもし落語に詳しかったら、受けなかったかも知れませんね。だから落語家というより、東京で奥さんと暮らすノホホンとしたオジサンというスタンスで演じました。でも小六は立ち位置が常にニュートラルでぶれることがありません。だから実は物語のガイド役なんだと思います。◎女房役の田畑智子さんについて不思議な方ですねぇ。最初から構えを解いたナチュラルさがあり、長く一緒にいる夫婦の感じが出たと思います。魅力的な女優さんです。友達から夫婦になった設定ですから、僕と田畑さんのキャラクターに合っていたと思います。◎小春役の柳家わさびさんについて見たままの実直で真面目な青年です。僕は現場にジャージで行くのに、師匠に言われているからと、ジャケットを着たりして小綺麗な恰好で来るんです。身なりや礼儀に口うるさい世界って余り無いでしょ?彼は今どき珍しい紳士ですよ。 ◎林家しん平監督について小六は「だらしない人として演じてくれ」と監督に言われました。高座はきちんと務めるが、女房がいないとダメになってしまうような。他には特に注文もなく、僕や田畑さんに関しては、割と自由にやらせて貰いました。現場で僕がやったアドリブを採用してくれたりもしました。◎作品についてひと言お願いいたします落語家は特殊な職業ですけど、生活は普通なんです。でも日常を「落語」という切り口で見ることで、当たり前のことが浮き彫りになってくる。普段見落としていることが大切であることが分かってくるんです。そして落語が身近に見えてくる、そんな作品です。 |